ベトナム株式

進む中国依存?ベトナム株式投資に向けた経済・政治・財政のファンダメンタルズ分析。経済構造の転換が中期的な課題

ベトナムサムネイル

今まさに日の出の勢いのベトナム。

ベトナムへの投資を考えられている方も多いのではないでしょうか?

 

本日はベトナム株投資を行う前段階として、現在の経済と今後の成長見通し、

政治情勢と財政について紐解いていきたいと思います。

 

ベトナム経済の現状

ベトナムというと中国の次に発展しそうなイメージがあります。

以下は日本と主要新興国の経済成長率を比較したものですが、ベトナム(緑)の経済成長率をご覧ください。

アジア諸国の経済成長率

 

ベトナムは他の新興国がリーマンショックなど景気の動向によって大きく成長率が変動するのに対して、

常に一定の成長率を維持して、安定的な成長を実現しています。

 

世界景気に影響されない強固な経済構造を持っているということが出来るでしょう。

 

また経済水準を知る上で重要な1人あたりGDPの成長率は以下のようになっております。

 

ベトナムの1人当たりGDPの推移

 

 

この15年間本当かどうかわかりませんが、高い成長率を維持していた中国とは大きく離され、

東南アジアの雄であるマレーシアよりはずいぶん低い1人あたりGDP4,000USDの水準で推移しています。

 

4,000USDといえば、分かりやすくいうと年収40万円というレベルです。

 

現在の水準が低いことはネガティブなことではなく、寧ろ今後の伸びしろが大きいという意味ではポジティブです。

 

新興国において成長が停滞するといわれている中所得国の罠の水準である1人あたりGDPが10,000USDの水準には、

まだまだ遠い為、成長が失速する恐れは直近はないということが出来ます。

 

また現在のベトナムのGDP水準は今後、、家電需要や自動車の需要が急速に増えるレベルでもあるので、

成長の加速が期待できます。

 

以下は車とトラックの販売台数の増加となっていますが、この傾向は加速していくことでしょう。

 

ベトナムの車とトラック販売台数

 

 

今後のベトナムのGDP成長の可能性を人口構造から考察

新興国の成長の原動力は人口の増加です。

以下の人口ピラミッドをご覧ください。

 

今後労働人口の爆発的な上昇は見込めませんが、現在ボリュームゾーンとなっている労働人口層は、

20代~30代と若く、今後年齢は上昇しますが熟練労働者となり生産性が増加していくことが見込まれます。

ベトナムの人口ピラミッド

参照:PopulationPyramid

 

また人口自体は2055年まであがり続けるので、今後の成長にはSupportiveですね。

 

ベトナムの経済成長を需要面から分析する

経済成長を構成要素別にみていきましょう。

GDPを国内の需要という面から見ていきましょう。

 

大学時代、経済学部に在籍されていた方なら見覚えがある方もいらっしゃると思いますが、

 

GDPは主に以下の4つの構成要素に分けることが出来ます。

個人消費:国民がどれだけ1年間で消費活動を行ったか
政府支出:政府がどれだけのお金を使用したか
総固定資本形成:民間と政府でどれだけ投資が行われたか
純輸出:ネットでどれだけ輸出したか (輸出ー輸入)

 

以下は近年のベトナムの成長に対する各構成要素の寄与の度合いです。

ベトナムの実質GDP成長率と需要項目別寄与度の推移

参照:経済産業省

 

経済成長の主なドライバーが個人消費つまり民間消費となっていることが分かります。

 

建材の経済成長は国民の需要拡大つまり民間消費の拡大によってもたらされるべきであり、

ベトナムが健全な経済成長を行っていることが分かります。

 

結果としてリーマンショックのような世界経済の動向をうけにくい堅固な成長を行っているということができるでしょう。

 

反対に中国のような投資主体の実態に対して無理をした成長は、

後々、過剰生産能力、過剰債務を抱えることになるので危険ですが、

ベトナムの成長は健全であるということができるでしょう。

 

ベトナムの経済成長を産業面から分析する

次にベトナムの産業構造を見ていきましょう。

 

ロシアやサウジアラビアのように資源偏重のようにある産業に偏っていた場合、

主力産業が直撃をうけた場合、経済と財政に深刻な影響をおよぼしますからね。

 

当然株価も大きく下落するので、株式投資を行う上でも確認しておく必要があります。

まずは大分類として農業、工業、サービス業というくくりでご覧ください。

ベトナムの成長率構成

 

現在のベトナムの成長率を索引しているのは工業部門とサービス業の成長であることが分かります。

サービス業は同国経済の40%を近く占める最大のポーションを占めるようになっております。

 

これは個人消費が堅調であり卸売・小売部門が堅調に推移していることが要因です。

それでは、もう一方の工業部門でどの部分が成長を索引しているかをご覧ください。

ベトナムの成長率構成(工業部門)

 

 

製造業の成長が工業部門の成長を索引していることが分かります。

工業部門は製造業と電気ガス、建設部門が支えている一方、資源価格の下落で鉱業部門が不調に沈んでいる構図になっています。

 

人件費が安いことで、外資が進出して組み立てを行う為、製造業の伸びが盛んなのです。

更に今後は資源価格の底打ちを確認しったことにより、更に弾みがつくことが予想されます。

 

ベトナムの貿易

ベトナムの貿易についても確認していきましょう。

以下のようにベトナムは輸出が輸入を小さく上回って、貿易収支は小幅ですがプラスになっています。

ベトナムの貿易収支

 

貿易収支はそれ自体ではGDPに与える影響は軽微なのですが、

結局は輸出品を生産する為に雇用が発生しますし、投資も必要となってくる為、

経済成長の持続性をみる過程では貿易が今後どうなっていくのかも重要になってきます。

 

以下はベトナムの輸出商品と輸入商品なのですが、

設備や現在量を輸入して安価な労働力を利用して組み立てを行っているという構図であることが分かります。

 

ベトナムの主な輸出入品

 

つまり現在は労働集約型の構造で、労働者の賃金が上昇すれば、

現在の仕組みでの経済成長は達成が難しくなる為、

高付加価値製品の製造、サービス業への更なる軸足のシフトが必要となってきそうです。

 

輸出先にはバランスが取れており、特定の国に過度に依存しているというわけではなさそうですが、

中国の割合が年々増えているのは気になるところではあります。

ベトナムの貿易相手国

 

 

ベトナムの政治は安定的なのか?

ベトナムは中国、北朝鮮、キューバ、ラオスと並んで5国しか存在しない、共産党国家です。

 

例によって中国や北朝鮮と同じ共産党による一党独裁政権なのですが、

北朝鮮の金委員長のように独裁的な色彩は弱く、

国家元首、書記長、首相の3人がバランスを取りんながら政権を運営しております。

 

ただやはり一党独裁なので、内部は腐敗しているという風に言われており、

共産党政権にはつきものの革命がおこる可能性を内包していることは注意した方が良いでしょう。

 

また独裁政権なので外国人からの投資も一気に取り上げるというおそれも、

テールリスクとしては存在しているので、

投資資金が必ずしも安全ではないということは頭の片隅に置いておきましょう。

 

ベトナムの財政を分析する

ベトナムは財政が他のASEAN諸国に比べても、

深刻な赤字体質であることが分かります。

 

毎年、GDP比で▲6%~▲8%の赤字を毎年垂れ流しています。

ASEAN諸国の一般政府部門財政収支対GDP比率の推移

 

 

結果として累積債務もマレーシアやフィリピン、中国の水準を大きく上回ってきています。

一貫して右肩上がりですね。

アジア諸国の政府債務残高推移

 

 

何故べトナムの財政が深刻なのかというと、

新興国にありがちなのですが、徴税する仕組みが脆弱で確り税収をとることが出来ていないことに加え、

2012年にASEAN自由貿易地域の協定によって1600品もの輸入関税が撤廃され、

歳入が激減したことが大きく響いています。

 

政府債務の膨張は利息の返還が苦しくなり、政府債務によって実施すべき投資を実行できなくなります。

 

インフラ投資などが滞り経済に非効率が発生する恐れがあるだけではなく、

通貨の信認が下落しベトナム通貨ドンの下落によるインフレが発生することにより、

個人消費の低迷を伴い経済に深刻な打撃を与えかねません。

 

税制度を見直し確り徴税することが急務となってきております。

 

ベトナムの経済・政治・財政の総括

ベトナムは経済はまだまだ発展黎明期で、現在の経済構造のまましばらくは成長が持続されることが想定されますが、

賃金上昇による組み立て型の工業製品輸出にいつかは頭打ちとなる未来がくるため、

経済構造の転換が中期的な課題としてあげられます。

 

政治は共産党による一党独裁で不透明感はありますが、現状は安定した情勢となっています。

最も問題なのは財政で、徴税システムの不備や特殊な要因によって政府債務は発展途上国の中で、

非常に高い水準となっています。

 

利払い費が嵩み、必要な投資もおこなえなくなってきてしまうことから、

今後は政府債務の圧縮に傾倒し、徴税システムを整えることが急務となってきます。

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昨今新興国の勢いは留まるところを知らず、世界のGDPに占める比率は50%近くに達し、更に高い成長率を維持して世界経済の中で存在感を年々高めています。

当然、経済成長に伴って企業の収益成長率も世界の成長率を大きく上回っています。

先進国と新興国の経済成長率の差

しかし、2010年代は先進国株が堅調に推移したため、新興国企業は収益を伸ばしているにもかかわらず株価は低迷していました。
結果的に新興国株式の割安度は高まりつづけています。

新興国株式は割安

現在はいわばマグマが溜まっている状態で、2020年代は2000年代に堅調だった新興国株の時代が再び来ると想定されています。

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