今回も新興国の投資信託として評判の『たわらノーロード新興国株式』について、
分析していきたいと思います。
ちなみに、新興国全体に投資する投信・ETFはこちらでまとめています。
たわらノーロード新興国株式ってどんな投資信託ーノーロッドって?ー
たわらノーロード新興国株式はAssset one management株式会社によって運用されている、
たわらシリーズの新興国投資信託です。
ノーロードという名前を投資信託で良く聞かれると思いますが、
No Roadつまり『道がない』という意味ではなく、No Loadつまり『積み上げない』という意味です。
結局どういうこと??と更に疑問が膨らんだ方もいらっしゃると思いますが、
積み上げる=購入すると捉えると、購入時の手数料がないということを意味します。
たわらノーロード新興国株式の投資信託の種類ーパッシブ型?アクティブ型?ー
更に『たわらノーロード新興国株式』はパッシブ型の投資信託という特徴があります。
投資信託には大きく分けて二つに分類されます。
一つは、『たわらノーロード新興国株式』のように、指数に連動を目指す投資信託である、
パッシブ型の投資信託です。
指数というのは一番身近なものでは日経平均や、米ダウ平均、S&P指数というものから、
新興国のようにMSCIエマージングマーケットインデックスものまで、
様々なものが存在していますが、ただ指数への連動を目指すだけなので、
簡単に組成することが出来、手数料が低いという特徴があります。
一方、指数に対してプラスのリターンを確保することを狙う投資信託をアクティブ型の投資信託といいます。
プラスのリターンを追求する為には、銘柄の研究を行わなければいけませんので、
当然手数料も高くなります。
手数料が高くても、しっかりとそれ以上のパフォーマンスをあげていれば良いのですが、
残念ながら手数料が高いにも拘わらず、リターンが低く手数料込みでは半分以上の、
アクティブ型投資信託はマイナスになっているのです。
たわらノーロード新興国株式が連動を目指すインデックスとは?
『たわらノーロード新興国株式』は先ほどパッシブ型の投資信託とお伝えしましたが、
ではどのような新興国のインデックスに連動することを目指した投資信託なのでしょうか。
新興国株全体のインデックスとして有名なものに、MSCIエマージングマーケットインデックスと、
FTSEエマージングインデックスという二つのインデックスがあります。
『たわらノーロード新興国株式』はMSCIエマージングマーケットインデックスへの連動を目指しています。
以前、分析したeMAXIS新興国株式ファンドもMSCIエマージングマーケットインデックスへの連動を目指しています。
MSCIエマージングマーケットインデックスは、世界的に有名な指数算出会社である、
Morgan Stanley Capital International社によって算出されています。
新興国企業の時価総額に応じて銘柄を組み入れて、
新興国の時価総額の成長をとることを目指すインデックスとなっています。
MSCIエマージングマーケットインデックスの欠点
MSCIエマージングマーケットインデックスは新興国の時価総額順に銘柄を組み入れているので、
構成国の比率は以下のようになっています。
もう既に躍進を続ける新興国ではなくなってきている韓国や台湾、ブラジル、
更にグラフには載っていませんがロシアと南アフリカがメインとなっています。
時価総額順なので既に成長をある程度している国の銘柄が大きくなってしまうのですが、
既に成長をある程度しているということは、今後の成長余地が低くなっており、
成長率も低迷してしまうのです。
折角新興国の飛ぶ鳥を落とす勢いの成長を取り込もうと、MSCIエマージングマーケットインデックスに連動した
投資信託やETFを購入しても、組み入れられている国が既に失速していては意味がないですよね。
実際中国が急成長していた2000年代はMSCIエマージングマーケットインデックスは、
MSCI先進国やMSCI米国インデックスに対して大きくプラスの成績でしたが、近年は低迷しています。
10年間平均で年率4.41%と先進国や世界全体の半分程度の利回りに収束してしまっています。
チャートと利回りからみる『たわらノーロード新興国株式』の成績を評価
たわらノーロード新興国株式はパッシブ型の投資信託である為、
指数に対してどれだけ連動しているかということが重要になってきます。
ほぼほぼベンチマークつまりMSCIエマージングマーケットインデックスと同じ動きをしていることが分かります。
データ上も見ていきましょう。
設定来3年たらずで乖離は▲3.67%となっており、10%ほど利回りに乖離がありますね。
しかし、ある程度この乖離は致した方ない部分があり、まだ許容できるレベルということが出来るでしょう。
投資信託では新規の申し込みと解約が毎日発生するため、資金の全てを銘柄に投資を行うことはできず、
資金の一部を解約に備える為、待機させておく必要があるのです。
その為、完全に連動するのは非常に難しいのです。前回紹介したEXE-i新興国株式ファンドよりはましなレベルと言えるでしょう。
たわらノーロード新興国株式の手数料ー値下げされても依然として高い信託報酬ー
前のほうでパッシブ型の投資信託は手数料が安い傾向にあるといいました。
たわらノーロード新興国株式に年間掛かってくる手数料は年率0.3672%と一見すると非常に低い数値に見えますが、
新興国投資ETFのVWOの手数料が0.14%、
同じく新興国投資信託であるEXE-iつみたて新興国ファンドの手数料が0.1948%ということを考えると、若干高いですね。
因みに2017年に値下げされるまでは0.5346%でした。
MSCIエマージングマーケットインデックスもFTSEエマージングインデックスもパフォーマンスは、
ほぼ同じであることから、新興国インデックスに連動する金融商品に投資をするのであれば、
出来うる限り手数料が低い投資信託に投資を行うのが合理的な選択肢になります。
投資信託は運用会社と販売会社両方に手数料がかかってくるので、ETFに比べると高い傾向にあり、
あまり投資妙味があるとはいえません。
たわらノーロード新興国株式の購入方法ー楽天・SBIで手軽に取引可能ー
たわらノーロード新興国株式は手軽に楽天やSBIで手軽に購入することが出来ます。
購入金額は非常に低く、通常の買い付けでもお100円から購入することができ、
また積立も100円以上1円単位で調整することが出来ます。
最低投資金額は異常に低く設定されているので、手を出しやすいといえば出し安いかもしれませんね。
たわらノーロード新興国株式のまとめ
たわらノーロード新興国株式はMSCIエマージングマーケットインデックスに連動した、
新興国投資信託ですが、成長力が低い国に集中投資する結果となっており、
爆発的な上昇を見込むことは難しいといえるでしょう。
また手数料も新興国ETFや他の新興国投資信託に比べて高く、投資妙味は少ないといえます。

昨今新興国の勢いは留まるところを知らず、世界のGDPに占める比率は50%近くに達し、更に高い成長率を維持して世界経済の中で存在感を年々高めています。
当然、経済成長に伴って企業の収益成長率も世界の成長率を大きく上回っています。

しかし、2010年代は先進国株が堅調に推移したため、新興国企業は収益を伸ばしているにもかかわらず株価は低迷していました。
結果的に新興国株式の割安度は高まりつづけています。

現在はいわばマグマが溜まっている状態で、2020年代は2000年代に堅調だった新興国株の時代が再び来ると想定されています。
とはいえ適当に選んだ新興国に投資しただけでは大きなリターンを得ることはできません。
新興国の中には投資環境が整っていない国や政治的に不安定な国が数多く存在しているからです。
新興国投資で大きなリターンを得るためには、
✔︎ 成長力・企業成長力が高い
✔︎ 株価が上昇するのに適した経済水準
✔︎ 株価が割安
✔︎ 現地の情報が得られる敏腕ファンドマネージャーが銘柄を厳選
などといった条件を満たす必要があります。
特に最後の観点が抜け落ちがちなのですが、やはり腕利きのファンドマネージャーが運用しないとなかなか市場平均を上回る高いリターンを望むことができません。
いわゆる大企業が運用する投資信託はマネージャーがサラリーマンとして雇われの身であり、結果にコミットするという観点では物足りない部分があります。
そのため、私は運用を任せるのであれば本物のプロとして己の腕一本でのし上がっているヘッジファンドが効果的であると考えています。
以下では長年新興国株投資を含めて投資を行なってきた私の経験や知見からヘッジファンドを含めておすすめできるファンドをお伝えしています。
新興国投資で大きなリターンを得たいと考えられている方は参考にしていただければと思います。