ベトナム投資信託・ETF

大企業東京海上が運用する「東京海上・ベトナム株式ファンド」の基準価額推移は順調?分かりやすく徹底解説!

ベトナムは東南アジアの中でも、目覚ましい発展を遂げている注目の新興国であることは言うまでもありません。

本ブログでは、これまでにベトナムのファンダメンタルズと株式市場の概況について分析してきました。

 

またベトナム投資信託についても代表的なものをいくつか分析してきています。

     

    今回は、「東京海上・ベトナム株式ファンド」について分析していきたいと思います。

     

    東京海上・ベトナム株式ファンドってどんな投資信託?

    東京海上・ベトナム株式ファンドは有名大企業である東京海上のグループ会社である、東京海上アセットマネジメントが運用する投資信託です。

     

    ファンドの運用方針は以下の通りです。

    1. 主としてベトナムの企業の株式等の中から、成長性が高いと判断する企業の株式等に投資します。
    2. ベトナムの企業の株式等の運用は、「Korea Investment Management Co.,Ltd.」(KIM)が行います。
    3. 外貨建資産については、原則として為替ヘッジを行いません。

    引用: 交付目論見書

    成長性の判断については、以下のように記載されています。

    • 投資銘柄の選定にあたっては、定量分析や企業分析に基づいて、企業の成長性、ビジネスモデルおよび株価のバリュエーション等を勘案して行います。
    • 未上場公開会社市場に登録された株式に投資する場合があります。

    大企業ならではのネットワークと知見を活かした分析により、銘柄を選定しているものと思われます。

     

    また実際の運用は韓国の投資会社が行っているところも特徴です。

    東京海上・ベトナム株式ファンドのスキーム

    参照:交付目論見書

     

    投資スキームは上記のように記載されていますが、マザーファンドの先のにKIMがいて、ベトナム企業の株式等の運用を委託しているということですね。

     

    さらに為替をヘッジしない方針とのことですが、こちらは以前記事にもした通り、中央銀行による規制などを受けてVNDの安定性は高いため、あまり問題ないでしょう。

       

      東京海上・ベトナム株式ファンドの業種別構成比率と構成銘柄

      まずは、東京海上・ベトナム株式ファンドの業種別構成比率を見ていきましょう。

      業種別構成比率

      業種 比率(%)
      金融 41.7
      不動産 15.7
      生活必需品 10.9
      素材 9.1
      一般消費財・サービス 6.5
      資本財・サービス 5.6
      情報技術 4.8
      公益事業 0.8
      ヘルスケア 0.5

      参照:月報

       

      やはり金融が多くのポーションを占めていますね。

      これはなぜでしょうか。

       

      要因の1つとして、消費者向けの保険の窓口販売が増えていることが挙げられます。

      それによって金融セクターの収入が増加し、業績が上向くとの見通しから金融セクターが増えているのではないか、ということです。

      また、ベトナムの銀行各社は業績堅調ですので、今後もこの傾向が続くでしょう。

       

      続いて銘柄別でも金融銘柄が上位を占めていることが伺えます。

      組入上位10銘柄

      順位 銘柄名 セクター 比率(%)
      1 ベトナム産業貿易商業銀⾏ 金融 7.2
      2 ビンホームズ 不動産 6.8
      3 ベトコムバンク 金融 6.8
      4 軍隊商業銀行 金融 6.4
      5 ホアファットグループ 素材 6.3
      6 FPT 情報技術 6.1
      7 ベトナム乳業 生活必需品 5.8
      8 ベトナム繁栄商業株式銀行 金融 5.0
      9 モバイル・ワールド・インベストメント 一般消費財・サービス 4.8
      10 ベトインバンク 金融 3.8

      参照:月報

       

      東京海上・ベトナム株式ファンドの運用成績

      では東京海上・ベトナム株式ファンドの基準価額推移を見ていきましょう。

      東京海上・ベトナム株式ファンドの運用成績

      参照:月報

       

       

      基準価額の推移は決して順調とは言えませんが、直近は株式市場好調により右肩上がりの傾向です。

      設定来鳴かず飛ばずだったところにコロナが直撃して泣きっ面に蜂状態だったものの、救われたというところでしょうか。

       

      しかし、詳細を見ていく前に、一つ懸念点をお伝えしておきたいと思います。

      それは直近の値上がり分、分配金を拠出し始めていることです。

      現在の基準価格(オレンジ)は13,000円前後ですが、分配金を再投資したと仮定した場合の基準価格(青)は15,000円前後です。

      一方で、これまでに拠出してきた分配金の合計は1,500円です。

      東京海上・ベトナム株式ファンドの分配金

      参照:月報

       

       

      つまり、現在の基準価格に分配金を合計しても14,500円にしかならず、分配金再投資後の基準価額に及びません。

      これは言うまでもなく、分配金として拠出してしまうと再投資による複利効果を得られないことを表しています。

      目先の資金にこだわらず、長期的な視点で運用を行うのであれば、分配金拠出はない方が良いのです。

      まだ分配金を拠出し始めたばかりなので差は大きくありませんが、今後もこの分配金拠出が続くと差は開く一方です。

       

      それでは肝心の運用成績について、その他のベトナム投信と比較していきましょう。

       

      東京海上・ベトナム株式ファンドとその他のベトナム投資信託との比較

      今回は以下3投信と比較していきます。

      • ベトナム株式ファンド
      • ベトナム成長株インカムファンド
      • DIAMベトナム株式ファンド

       

      東京海上・ベトナム株式ファンドのリターン推移参照:MORNINGSTAR

      ピンクの東京海上・ベトナム株式ファンドはベトナム株式ファンドをアウトパフォームしていますが、その他2つとは似たり寄ったりの成績です。

       

      数字を詳しく見ていきましょう。

      基準価額、純資産は 2022年01月07日 現在
      トータルリターン等評価情報は 2021年12月31日 現在

      ファンド名 東京海上・
      ベトナム株式
      ファンド
      (年1回決算型)
      ベトナム株式
      ファンド
      ベトナム成長株
      インカムファンド
      DIAMベトナム
      株式ファンド
      販売手数料 3.3% 3.3% 3.3% 3.3%
      信託報酬等(税込) 1.76% 1.96% 1.88% 1.90%
      トータルリターン1年 54.72% 48.59% 52.86% 49.91%
      トータルリターン3年(年率) 18.40% 16.88% 18.63% 19.09%
      トータルリターン5年(年率) 13.98% 14.66% 17.06%
      トータルリターン10年(年率) 17.69%
      シャープレシオ1年 2.29 2.07 2.17 2.36
      シャープレシオ3年 0.63 0.58 0.65 0.68
      シャープレシオ5年 0.54 0.58 0.68
      シャープレシオ10年 0.77
      標準偏差1年 23.88 23.48 24.32 21.20
      標準偏差3年 29.11 29.17 28.82 27.99
      標準偏差5年 25.74 25.40 24.93
      標準偏差10年 23.10

       

      直近1年は最も良い成績となっていますが、これは東京海上・ベトナム株式ファンドが最も設定期間が短いファンドだからです。

      実際、3年で見ると先ほど競っていた他2投信にアンダーパフォームしています。

       

      また、値動きの大きさを表す標準偏差も3年で29.11とかなり高い数値となっており、まさにハイリスク・ハイリターンと言えるでしょう。

      ただし、他の投資信託もそれなりに高いリスク水準となっているため、その点は変わらないかもしれません。

       

      過去3年のリターン年率18.40%と標準偏差29.11から考えられる今後1年の値動きは、統計的に以下の範囲で収まることが想定されます。

      68.2%の確率で
      18.40% – 29.11%(▲10.71%) ~ 18.40%+29.11%(+47.51%

      95%の確率で
      18.40% – 29.11×2%(▲39.82%) ~ 18.40%+29.11%×2(+76.62%

       

      これを「76.62%ものリターンが期待できる!」と考えるか、「40%近い下落があり得る・・・」と考えるかはその人次第でしょう。

      私としては40%近い下落があり得るのは少し怖いと思ってしまいます。

       

      東京海上・ベトナム株式ファンドの高い手数料

      新興国のアクティブ型投資信託は、銘柄を取引する際の手数料や、為替の手数料が発生するため、手数料が高くなる傾向にあります。

      さらに最初に見た通り、東京海上・ベトナム株式ファンドは詳細な分析による銘柄選定をしているようですので、かなり高い手数料となっています。

      購入手数料は3.3%(税込)、信託手数料は1.76%(税込)です。

       

      上記で比較している他投信よりは信託手数料がやや低いですが、この手数料に見合った高いリターンが得られているとは残念ながら言えない成績でしょう。

       

      東京海上・ベトナム株式ファンドのまとめ

      東京海上・ベトナム株式ファンドは大企業東京海上による詳細な分析で銘柄選定をしています。

      手数料は他投信に比してやや低いですが、それでも高く、投資適格とは言い難いです。

      また、現在ベトナム株式市場自体の魅力があまり高くないため、その点を十分に留意した上で投資するかしないかを考えられた方がよいでしょう。

      資産を大きく増やすのに適した今まさに飛躍の時を迎える投資先!
      新興国投資信託

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      昨今新興国の勢いは留まるところを知らず、世界のGDPに占める比率は50%近くに達し、更に高い成長率を維持して世界経済の中で存在感を年々高めています。

      当然、経済成長に伴って企業の収益成長率も世界の成長率を大きく上回っています。

      先進国と新興国の経済成長率の差

      しかし、2010年代は先進国株が堅調に推移したため、新興国企業は収益を伸ばしているにもかかわらず株価は低迷していました。
      結果的に新興国株式の割安度は高まりつづけています。

      新興国株式は割安

      現在はいわばマグマが溜まっている状態で、2020年代は2000年代に堅調だった新興国株の時代が再び来ると想定されています。

      とはいえ適当に選んだ新興国に投資しただけでは大きなリターンを得ることはできません。
      新興国の中には投資環境が整っていない国や政治的に不安定な国が数多く存在しているからです。

      新興国投資で大きなリターンを得るためには、

      ✔︎ 成長力・企業成長力が高い
      ✔︎ 株価が上昇するのに適した経済水準
      ✔︎ 株価が割安
      ✔︎ 現地の情報が得られる敏腕ファンドマネージャーが銘柄を厳選

      などといった条件を満たす必要があります。

      特に最後の観点が抜け落ちがちなのですが、やはり腕利きのファンドマネージャーが運用しないとなかなか市場平均を上回る高いリターンを望むことができません。

      いわゆる大企業が運用する投資信託はマネージャーがサラリーマンとして雇われの身であり、結果にコミットするという観点では物足りない部分があります。

      そのため、私は運用を任せるのであれば本物のプロとして己の腕一本でのし上がっているヘッジファンドが効果的であると考えています。

      以下では長年新興国株投資を含めて投資を行なってきた私の経験や知見からヘッジファンドを含めておすすめできるファンドをお伝えしています。

      新興国投資で大きなリターンを得たいと考えられている方は参考にしていただければと思います。

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