インド株式

インド株式市場のおすすめ銘柄と今後の見通しを徹底解説!魅力的だが成長を織込済で株価は割高に推移。

インド株式サムネイル

本ブログでは過去にインドの経済・政治・財政、そして為替の見通しを分析しました。

 

今回はさらに踏み込んで、インドの株式市場について市場全体と個別銘柄の観点から分析していきたいと思います。

 

インドの政治・経済・財政のおさらい

まずインドの政治・経済・財政のおさらいをしていきましょう。

 

政治
「モディノミクス」で有名なモディ首相の政権は第二次に入り、安定的な政治がおこなわれています。

モディ首相は規制緩和や投資受入、高額紙幣取引の禁止など将来的に間違いなくプラスになる政策を実施しています。

 

経済
言わずもがなですが、中国に肉薄する世界第二位の人口を誇り、優秀な人材を多数輩出しています。

そんな優秀な人材に支えられ、今後最も経済成長が期待されている新興国の一つになっています。

 

財政
一方で過去から課税体制が確立されていないことで、国民からしっかりと税を徴収できておらず、財政基盤は脆弱になっています。

それが背景となって、新興国の中でも高い政府総債務残高(対GDP比)を誇ります。

以下の通り年度ごとに上下はありますが、概ね70%を超える水準となっており、直近2020年は89.6%と90%に迫っています。

インドの政府総債務残高(対GDP比)

参照:世界経済のネタ帳

 

債務が増えるとどのような問題があるのでしょうか?

答えは新興国の国債利回りは高いため、利息が原因で財政がひっ迫してしまうことです。

財政がひっ迫するとインフラ投資など経済成長に不可欠な資金が不足することになるのです。

 

しかし、モディ政権によって徐々に課税体制が強化されているので、財政問題は次第に解決に向かうでしょう。

 

インドの為替のおさらい

次にインドの為替についておさらいしておきましょう。

 

インドの通貨ルピー(INR)はリーマンショック以降大きく下落してしばらく下落基調でしたが、直近は安定して推移しています。

背景にはインド中央銀行の利上げや、インドの国際収支改善が挙げられます。

INRJPYのチャート推移

参照:楽天証券

 

為替が安定していると市場が急変動する確率が下がり、長期的に株式市場の安定をもたらします。

そういう意味ではインドの市場は過去に比べると安定してきていると言えるでしょう。

 

インド株式市場平均を表すインドSENSEX指数をチャートと指標から分析

続いて株価指数の動きを見ていきましょう。

インドには様々な株価指数がありますが、ここではインドSENSEXを見ることとします。

インドSENSEXはインド最大の株式市場であるボンベイ証券取引所における株価指数です。

つまり、インドで最も代表的な指数と言えます。

 

インドSENSEXは堅調な経済や安定した政治体制を背景に、この10年間で約2.5倍の上昇を見せています。

2020年のコロナ相場の影響を除くと概ね右肩上がりに推移していますね。

インドSENSEXの推移

参照:楽天証券

 

 

 

ちなみにインドSENSEXは1875年に設立されたボンベイ証券取引所に上場されている銘柄の中から30銘柄を厳選して指数が構成されています。

銘柄選定には企業規模だけでなく浮動株の時価総額なども勘案され、比較的頻繁に銘柄が入れ替えられます。

業種では金融と情報通信の比重が大きく、財閥系の企業が多いのが特徴です。

 

インドSENSEXを日本の代表的な株価指数TOPIXと比べてみましょう。

以下がそれぞれの値動きの推移です。

2018年末まではTOPIX(赤)の方が良いパフォーマンスを見せていましたが、2019年頃からはSENSEX(青)の方が良いパフォーマンスを見せていますね。

またSENSEX(青)は大きく下落することなく、常に堅調な値動きをしているのが特徴ですね。

インドSENSEXとTOPIXの比較

参照:Yahoo! ファイナンス

 

結果として、2021年5月現在でインド株式のPERは32.4倍(日本は19.1倍)と将来の成長を織り込んで割高水準となっています。

そのため、長期的な視点では非常に魅力的なのは間違いありませんが、現時点では投資先として魅力的な水準ではないですね。

 

インド株式市場に投資する際の注意点

インド株式に投資する際にはいくつか注意点があります。

詳しく見てみましょう。

 

投資信託と指数との連動率の低さ

個人投資家がインド株式に投資を検討する際、まずは市場平均に連動するETFに投資をするのが有効な選択肢になります。

ETFについては以前詳しく解説していますので詳しくはそちらをご覧いだだければと思います。

ETFとは簡単に言うと「市場が開いてるときに株式と同様に常時取引できる特殊な投資信託」のことです。

 

私はインド経済が今後発展するだろうと一早く目をつけていました。

そして2016年に証券コード1678の「インド株式指数上場投信」に投資を行いました。

これはインドのナショナル証券取引所の代表的な株価指数である「Nifty 50」の円換算値との連動を目指すETFです。

 

しかし、結果的にインド株式指数上場投信はNifty 50に対してアンダーパフォームしてしまっています。

以下はNifty 50(青)インド株式指数上場投信(黄)の値動きの乖離です。

連動を目指しているにも関わらず、2018年以降はNifty 50に対してアンダーパフォームしてしまっています。

NIFTY50と1678の比較
NIFTY50と1678の直近終値

参照:Google finance

 

 

このように実際の指数と連動しない可能性には十分気を付けたほうがよいでしょう。

 

 

個別銘柄を取引する際の注意点 ーADRに要注意!ー

投資信託ではなく個別銘柄に投資したいというあなたのための注意点も解説していきます。

 

まず原則として、日本に住む我々がインドで上場されているインドの個別銘柄を直接取引することはできません。

しかしADRという仕組みを用いることによって取引が可能となります。

 

ADRはAmerican Depositary Receiptの略で、日本語に訳すと米国預託証券となります。

簡単に説明するとADRは次のような仕組みになっています。

まず米国の銀行が、インド市場で発行されている株式を取得します。

そして、購入後に預かり証を発行して米国市場に上場させます。

ADRが米国の証券取引所に上場されるまで

参照:楽天証券

 

このADRと言う仕組みを使うことで、我々投資家は間接的にではありますがインドの個別株に投資することができるのです。

 

 

ADRを用いて取引する際に最も注意すべきは高い手数料でしょう。

当然ですが、アメリカの銀行が仲介に入っているので、通常の株式投資に比べて手数料が高くなります。

米国株式等の取引にかかる費用等
米国株式等の委託手数料は、26.25米ドル/1回(1,000株まで)がかかります。1回の取引が1,000株超の場合は1株ごとに2.1米セント追加されます。
売却時は通常の手数料に加え、SEC Fee(米国現地証券取引所手数料)が約定代金1米ドルあたり0.0000192米ドル(米セント未満切り上げ)。

(引用:楽天証券)

 

日本株の購入に掛かる手数料は1回500円ですが、ADRだと1回約3000円(1ドル110円ベース)かかります。

 

また基本的には現地の値動きに連動するように設計されていますが、需給によっては現地の値動きと乖離する可能性があるという点も注意点です。

 

ADRを用いてインド株を取引できる証券会社 ー楽天・SBI・マネックス証券で可能ー

先程説明したADRという仕組みを用いてインド株を取引できる証券会社には楽天証券・SBI証券・マネックス証券などがあります。

ここでは楽天証券を例にインド株のADRを探す方法を紹介します。

楽天証券の取引画面

参照:楽天証券

 

米国株式検索でADRの欄にチェックをつけた後に、本社所在地をインドにします。

検索ボタンをおすと、以下の銘柄が表示されます。

インド株式銘柄名

参照:楽天証券

 

ご覧頂ければわかる通り、インド株式全ての銘柄に投資をすることはできません。

当たり前ですが、ADRとして米国市場に上場している銘柄だけが対象となります。

 

ADRを用いて購入できるおすすめインド株式銘柄を紹介

ADRを用いて購入できる株式の中からおすすめの投資先を2つ紹介します。

 

①不振からの立ち直りに期待できる「タタ・モーターズ」

やはり一番おすすめできるのはインドのTOYOTAとも言われている「タタ・モーターズ」ですね。

 

しかし、2019年3月期に業績不振でまさかの赤字転落となると、その後2020年3月期、2021年3月期と3期連続して赤字と苦しんでいます。

コロナの影響もあるとはいえ売上自体も減少しており心配ですね。

年度 Mar-17 Mar-18 Mar-19 Mar-20 Mar-21
売上高(千INR) 2,656,495.10 2,882,951.10 2,993,662.40 2,594,251.20 2,481,631.40
営業利益(千INR) 133,287.70 150,242.20 -255,607.60 -201,422.50 -76,851.00
経常利益(千INR) 94,598.80 103,740.10 -317,553.10 -109,339.60 -116,727.30
当期利益(千INR) 58,539.30 65,040.70 -293,142.70 -113,940.30 -142,700.90
EPS(INR) 86.2 102.61 -431.62 -32.90

引用:yahoo! finance

 

業績不振を受けて元々軟調だった株価は大きく下落しました。

タタモーターズのチャート

参照:yahoo! finance

 

しかし、2020年3月頃を底として直近上昇基調なのはポジティブな材料ですね。

今期の業績発表を受けてもそれほど下げていないため、業績悪化も織り込み済みであったということでしょう。

 

さらにインドは経済成長を続けているため、自動車を購買することができる中間所得層が飛躍的に増加していくと考えられます。

以下は2000年と2020年のインドの世帯別の所得分布の変化です。

インドの世帯所得分布

参照:経済産業省

 

中間所得層が大きく増加していることが分かります。

今後も中間所得層の増加は確実なので自動車の需要はうなぎ登りとなっていきます。

現在の業績不調に伴って株価が下落している段階で仕込むことができれば将来的に大きな利益を手にすることができる銘柄と言えるでしょう。

 

②インド経済の成長と共に歩む「HDFCバンク」

日本の高度経済成長期と同様に、発展途上国の経済成長において金融機関は非常に重要な役割を果たします。

結果として、経済成長とともに銀行の業績も右肩上がりに上昇していきます。

 

インドの銀行で注目はHDFCバンクです。

HDFCバンクは商業銀行と投資銀行の両方の機能を備えたインドの総合銀行です。

業績は堅調で以下の通り売上・利益共に右肩上がりとなっています。

年度 Mar-18 Mar-19 Mar-20 Mar-21
売上高(千INR) 567,757.60 667,627.80 791,746.40 966,376.90
経常利益(千INR) 277,106.40 339,959.00 365,844.00 427,961.40
当期利益(千INR) 178.514,90 220,103.80 260,269.90 318,332.10
EPS(INR) 35.76 40.66 47.70

引用:yahoo! finance

 

結果として以下の通りコロナの一過性要因を除けば、株価は右肩上がりで推移しています。

HDFCのチャート推移

参照:yahoo! finance

 

しかし、インドの株式市場自体が割高水準にあるのと同様、HDFCバンクも割高水準となっています。

一旦、市場の調整を待ってから仕込んだ方が良いとも言えるでしょう。

 

インド株式投資の総括

インドの株式市場は高い経済成長力と安定的な政治体制に後押しされて、この10年間世界の株式市場の中でも安定的な成長を果たしました。

しかし、誰の目からみても魅力的であるが故に、現在は市場全体として将来への期待を織り込んで割高水準となっています。

 

市場全体に投資をするETFや投資信託は長期的にみれば良好な結果を残す可能性があるでしょう。

しかし、実際のインド株式市場平均と成績が乖離するのが大きな問題点です。

 

反対に個別銘柄も割高水準にあるため、なかなか今投資しても良い結果が得られないでしょう。

 

 

おすすめの新興国株式投資手法

インドの株式市場について詳しく見てきましたが、私は今現在は投資するタイミングでないのではないかと考えます。

そもそも新興国株投資は様々なリスクがあるため、しっかりと分析しないと痛い目を見る可能性が高いです。

 

また、狙う銘柄を決めたとしても、馴染みない企業が多く決算書も英語なので銘柄分析は難しいでしょう。

そのため、本当に有望な銘柄なのか自信をもって投資するのは極めて困難です。

 

もし新興国投資に興味を持った方がいらっしゃいましたら、私が過去に書いたおすすめの投資先ランキングをぜひご覧いただければと思います!

資産を大きく増やすのに適した今まさに飛躍の時を迎える投資先!
新興国投資信託

おすすめファンドランキング
昨今新興国の勢いは留まるところを知らず、世界のGDPに占める比率は50%近くに達し、更に高い成長率を維持して世界経済の中で存在感を年々高めています。

当然、経済成長に伴って企業の収益成長率も世界の成長率を大きく上回っています。

先進国と新興国の経済成長率の差

しかし、2010年代は先進国株が堅調に推移したため、新興国企業は収益を伸ばしているにもかかわらず株価は低迷していました。
結果的に新興国株式の割安度は高まりつづけています。

新興国株式は割安

現在はいわばマグマが溜まっている状態で、2020年代は2000年代に堅調だった新興国株の時代が再び来ると想定されています。

とはいえ適当に選んだ新興国に投資しただけでは大きなリターンを得ることはできません。
新興国の中には投資環境が整っていない国や政治的に不安定な国が数多く存在しているからです。

新興国投資で大きなリターンを得るためには、

✔︎ 成長力・企業成長力が高い
✔︎ 株価が上昇するのに適した経済水準
✔︎ 株価が割安
✔︎ 現地の情報が得られる敏腕ファンドマネージャーが銘柄を厳選

などといった条件を満たす必要があります。

特に最後の観点が抜け落ちがちなのですが、やはり腕利きのファンドマネージャーが運用しないとなかなか市場平均を上回る高いリターンを望むことができません。

いわゆる大企業が運用する投資信託はマネージャーがサラリーマンとして雇われの身であり、結果にコミットするという観点では物足りない部分があります。

そのため、私は運用を任せるのであれば本物のプロとして己の腕一本でのし上がっているヘッジファンドが効果的であると考えています。

以下では長年新興国株投資を含めて投資を行なってきた私の経験や知見からヘッジファンドを含めておすすめできるファンドをお伝えしています。

新興国投資で大きなリターンを得たいと考えられている方は参考にしていただければと思います。

おすすめファンドランキング