中国投資信託・ETF

人気の中国株投信「HSBC中国株式ファンド(3ヶ月決算型)」の運用実績や見通しを徹底分析!

HSBC中国株式ファンドサムネイル

 

資産運用で大きなリターンを狙うには経済成長が見込まれる新興国への投資がおすすめです。

さらに、その中でも近年ぐんぐん経済成長を遂げている「中国」は私が最も注目している国です。

 

「中国」に投資したいとなった時、いきなり個別銘柄はハードルが高いのでまずは投資信託がお手軽ですよね。

中国株投資信託については以下で比較検討しています。

 

中国の経済や株式市場など国全体については以下の記事で分析しています。

 

 

では、投資信託を購入する場合はどのくらいのリターンが見込まれるのでしょうか?

投資信託はいわゆる「専門家」が運用するので、やはり高いリターンを得られるのでしょうか?

 

今回は人気の中国株投信「HSBC中国株式ファンド」の分析を通してそんな疑問にお答えしていきたいと思います。

特に以下を中心に見ていきます。

  • どのような投信なのか?
  • 運用実績はどうなのか?
  • 今後の見通しはどうなのか?

 

ではいきましょう。

 

 

HSBC中国株式ファンド- 概要と運用方針 –

HSBC中国株式ファンドは文字通り中国株式を主な投資対象としています。

この点はもちろん他中国株投資信託と同様です。

 

ここではファンドの仕組みと組入銘柄を見ていきましょう。

 

HSBC中国株式ファンドの仕組み

HSBC中国株式ファンドの投資スキームは投資対象ごとに分かれています。

HSBC中国株式ファンドの仕組み

参照:交付目論見書

 

1つはHSBC中国株式ファンドがチャイナマザーファンドを通して中国の株式等に投資するものです。

こちらは非常にシンプルですね。

いわゆるファミリーファンド方式(*)です。

(*)ファミリーファンド方式とは、投資者が投資した資金をまとめてベビーファンドとし、その資金を主としてマザーファンドに投資して、実質的な運用をマザーファンドで行う仕組みのこと

 

一方でもう1つはやや複雑です。

まず、HSBC中国株式ファンドが中国A株マザーファンドに投資します。

そして、中国A株マザーファンドはETFや投資信託証券に投資します。

最後にそれらETFや投資信託証券が中国のA株等に投資します。

いわゆるファンド・オブ・ファンズ形式(*)です。

(*)ファンド・オブ・ファンズとは、複数の投資信託(ファンズ)に投資する投資信託(ファンド)のこと

 

ちなみに中国A株とは以下のような株式を言います。

中国A株とはQFII(適格国外機関投資家制度)で認可された国外の機関投資家を除き、基本的には中国人しか投資できない人民元建ての株式のことで、上海証券取引所と深セン証券取引所に上場しています。

引用:投資信託資料館

つまり、基本的に外国人は投資できない中国人向けの株式のことを指すんですね。

 

 

ファンドの仕組みは今までに分析してきた他中国株投信商品と大きく異なりませんね。

 

では何か異なる点はあるのでしょうか。

1つ特徴的な違いはHSBC中国株式ファンドは「3ヶ月決算型」という点ですね。

「3ヶ月決算型」はその名の通り3ヶ月ごとに決算が行われ、投資家に分配金が支払われます。

具体的なスケジュールは以下の通りです。

HSBC中国株式ファンドの分配金スケジュール

参照:交付目論見書

 

注意しなければならないのは分配を行わない場合もあるという点です。

ここはリスクとして認識しておくべきでしょう。

 

次に組入銘柄を確認していきましょう。

 

HSBC中国株式ファンドの組入銘柄

まずはチャイナマザーファンドです。

最新の組入上位銘柄は以下の通りです。

順位 銘柄名 市場 業種 比率(%)
1 騰訊控股
(テンセント)
香港 ソフトウェア・サービス 9.2
2 アリババ・グループ・ホールディング その他 ソフトウェア・サービス 7.8
3 中国建設銀行 H株 銀行 6.0
4 招商銀行 H株 銀行 5.0
5 美団 香港 小売 3.4
6 康龍化成(北京) H株 医薬品・バイオテクノロジー・ライフサイエンス 3.1
7 中国平安保険(集団) H株 保険 3.0
8 李寧 香港 耐久消費財・アパレル 2.9
9 藥明生物技術 香港 医薬品・バイオテクノロジー・ライフサイエンス 2.7
10 中国生物製薬 香港 医薬品・バイオテクノロジー・ライフサイエンス 2.3

参照:月次レポート

 

テンセントとアリババの中国定番銘柄がトップ2を占めるのは他多くの中国株投信と同様ですね。

その他に特徴的なのは比較的安定銘柄である銀行株が上位にあることですね。

また、医薬品銘柄の組入比率も高めです。

中国医薬品株はインドで新型コロナ患者が急増していることが材料視されて最近好調です。

中国政府はインドに対して積極的に医療支援したい意向を示しており、この政策が中印間の国境紛争を背景とした緊張緩和につながるのではないかと言われています。

 

当たり前ですが、中国のシリコンバレーと言われる深センのベンチャー企業を投資対象とする深センイノベーションファンドとは全く異なる銘柄に投資していますね。

 

 

次に中国A株マザーファンドですが、こちらはインデックス型です。

順位 銘柄名 比率(%)
1 i シェアーズ MSCI チャイナ A UCITS ETF 94.4
2 i シェアーズ FTSE China A50 Index ETF 5.3
3 キャッシュ等 0.3

参照:月次レポート

 

MSCI China A International indexやFTSE China A50 Indexを指数としていますね。

 

ただ、ファンドの比率としてはほとんどすべてがチャイナマザーファンドですので中国A株マザーファンドはは誤差と考えてよいでしょう。

HSBC中国株式ファンドのファンド比率

参照:月次レポート

 

 

HSBC中国株式ファンドの運用実績・パフォーマンス

続いてHSBC中国株式ファンドの運用実績を見ていきましょう。

ここではいつも通り基準価額とトータルリターンに注目します。

HSBC中国株式ファンドの基準価額と純資産総額の推移

参照:月次レポート

 

分配金再投資基準価額は設定来でおよそ3倍となっています。

設定から10年ほどはあまり振るわない成績でしたが、最近の世界的な株式市場高騰の恩恵を受けているといった形でしょうか。

 

ちなみに基準価額については以下で解説していますので参考にしてみてください。

 

次にトータルリターンを見ていきましょう。

トータルリターンは配当金を再投資した上で信託報酬を控除した成績を表します。

1つ注意しなければならないのは、購入手数料は加味されていないという点です。

従い、実際のパフォーマンスはこれよりも低くなります。

1年 3年
(年率)
5年
(年率)
10年
(年率)
トータルリターン 34.40% 10.86% 16.69% 10.73%
カテゴリー 36.53% 14.15% 16.60% 10.93%
標準偏差 18.27 22.42 19.08 23.59
カテゴリー 17.96 22.07 18.68 22.79
シャープレシオ 1.88 0.48 0.88 0.45
カテゴリー 2.04 0.63 0.89 0.48
ファンド数 46本 38本 34本 33本

 

他投信同様コロナ影響からの回復で直近1年は大きなリターンとなっています。

しかし長期では10%前後ですので概ねこの程度がリターンとして見込まれると言えるでしょう。

 

過去10年をベースとしたリターン10.73%と標準偏差23.59%と言う数字から今後1年間に想定されるリターンは以下の通りとなります。

 

【68.2%の確率で以下のリターンの範囲で収まる】
▲12.86%(10.73% – 23.59%)〜 34.32%(10.73% + 23.59%)

【95%の確率で以下のリターンの範囲で収まる】
▲36.45%(10.73% – 23.59%×2)〜 57.91%(10.73% + 23.59%×2)

【99.7%の確率で以下のリターンの範囲で収まる】
▲60.04%(10.73% – 23.59%×3)〜 81.5%(10.73% + 23.59%×3)

 

80%以上のリターンも理論上あり得る一方で、60%以上の下落を見せる可能性があることも十分頭にいれておきましょう。

こうして数字を見るとかなりハイリスク・ハイリターンであることが分かりますね。

 

他の中国株投資信託との比較

では他中国株投信と比較していきましょう。

今回は以下の3つの投資信託と比較していきます。

  • 三菱UFJチャイナオープン
  • 三井住友ニュー チャイナファンド
  • UBS中国株式ファンド

過去3年のリターンでは、残念ながら以下の通り他投信に対して大きくアンダーパフォームしてしまっていますね。

HSBC中国株式ファンドのトータルリターン

参照:MORNINGSTAR

 

 

数字もしっかり見ておきましょう。

 

基準価額、純資産は 2021年07月09日 現在
トータルリターン等評価情報は 2021年06月30日 現在

ファンド名 HSBC
中国株式ファンド
三菱UFJ
チャイナオープン
三井住友
ニューチャイナファンド
UBS
中国株式ファンド
販売手数料 3.3% 3.3% 3.3% 3.3%
信託報酬等(税込) 1.96% 1.67% 1.98% 1.97%
トータルリターン1年 34.40% 37.73% 32.53% 19.31%
トータルリターン3年(年率) 10.86% 13.64% 13.10% 12.20%
トータルリターン5年(年率) 16.69% 17.73% 16.52% 22.60%
トータルリターン10年(年率) 10.73% 11.51% 11.15% 15.21%
シャープレシオ1年 1.88 2.27 1.87 1.17
シャープレシオ3年 0.48 0.61 0.63 0.61
シャープレシオ5年 0.88 0.95 0.94 1.29
シャープレシオ10年 0.45 0.52 0.52 0.71
標準偏差1年 18.27 16.62 17.43 16.47
標準偏差3年 22.42 22.47 20.82 20.07
標準偏差5年 19.08 18.74 17.52 17.51
標準偏差10年 23.59 22.07 21.49 21.41

 

やはり長期のトータルリターンは他投信に比べてやや物足りない結果となっていますね。

価格変動、すなわちリスクを表す標準偏差も他投信より高くなっています。

リターンが物足りないにもかかわらず、リスクも大きいとなると投資するには不適格だと考えてしまいます。

 

最後に手数料を確認しておきましょう。

 

HSBC中国株式ファンドの高い手数料

HSBC中国株式ファンドの販売手数料は3.3%(税込)となります。

中国株投資信託では、中華圏株式ファンドが3.85%(税込)と高い水準にある以外ほとんどのファンドが同水準です。

 

例えば、先ほどチャートを比較した

  • 三菱UFJチャイナオープン
  • 三井住友ニューチャイナファンド
  • UBS中国株式ファンド

も同じく購入手数料3.3%(税込)となっています。

 

信託報酬は1.96%(税込)で他投信と同水準です。

一方で、三菱UFJチャイナオープンの1.67%よりは高くなっており、決して低いとは言えないでしょう。

 

もちろん高いリターンが得られるのであれば良いのですが、運用成績が良くないとなるとあまり納得いかないですよね。

 

HSBC中国株式ファンドのまとめ

HSBC中国株式ファンドは、2つのマザーファンドを通じて中国株に投資する投資信託です。

これまでに見てきた通り、リスクと手数料が高い割にリターンが悪く、残念ながらおすすめの商品とは言えません。

 

ただ、中国という国自体はこれからさらに成長することが見込まれているため、投資対象国としてはおすすめできます。

 

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ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

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新興国投資信託

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