中国投資信託・ETF

人気の中国株投信「HSBCチャイナオープン」の基準価額推移や見通しを徹底評価!他投信と比較しておすすめの投資先と言えるのか?

HSBCチャイナオープンサムネイル

資産運用で大きなリターンを狙うには経済成長が見込まれる新興国への投資がおすすめです。

さらに、その中でも近年目覚ましい経済成長を遂げている「中国」は今私が最も注目している国です。

 

「中国」に投資したいとなった時、いきなり個別銘柄はハードルが高いのでまずは投資信託がお手軽ですよね。

中国株投資信託については以下で比較検討しています。

 

中国の経済や株式市場など国全体については以下の記事で分析しています。

 

 

では、投資信託を購入する場合はどのくらいのリターンが見込まれるのでしょうか?

投資信託はいわゆる「専門家」が運用するので、やはり高いリターンを得られるのでしょうか?

 

今回は人気の中国株投信「HSBCチャイナオープン」の分析を通してそんな疑問にお答えしていきたいと思います。

特に以下を中心に見ていきます。

  • どのような投信なのか?
  • 運用実績はどうなのか?
  • 今後の見通しはどうなのか?

 

ではいきましょう。

 

HSBCチャイナオープン- 概要と運用方針 –

HSBCチャイナオープンは文字通り中国の株式を主な投資対象とする投資信託です。

まずは投資スキームと組入銘柄を見ていきましょう。

 

HSBCチャイナオープンの投資スキーム

HSBCチャイナオープンの投資スキームは以下の通り大きく2つに分かれています。

HSBCチャイナオープンの仕組み

参照:交付目論見書

 

1つはHSBCチャイナオープンがチャイナマザーファンドを通して中国の株式等に投資するものです。

こちらは非常にシンプルですね。

いわゆるファミリーファンド方式(*)です。

(*)ファミリーファンド方式とは、投資者が投資した資金をまとめてベビーファンドとし、その資金を主としてマザーファンドに投資して、実質的な運用をマザーファンドで行う仕組みのこと

 

一方でもう1つはやや複雑です。

まず、HSBCチャイナオープンが中国A株マザーファンドに投資します。

そして、中国A株マザーファンドはETFや投資信託証券に投資します。

最後にそれらETFや投資信託証券が中国のA株等に投資します。

いわゆるファンド・オブ・ファンズ形式(*)です。

(*)ファンド・オブ・ファンズとは、複数の投資信託(ファンズ)に投資する投資信託(ファンド)のこと

 

チャイナマザーファンドと中国A株マザーファンドの違いは以下をご覧ください。

チャイナマザーファンド

  • 中国国内の企業および中国経済の発展と成長に関連し収益のかなりの部分を中国国内の活動から得ている中国以外の国の企業を投資対象企業とします。
  • 主に中国の証券取引所(香港証券取引所、上海証券取引所、深セン証券取引所)に上場あるいはその他の取引所または取引所に準ずる市場で取引されている投資対象企業の株式に投資します。
  • 投資対象企業のADR(米国預託証書)やGDR(グローバル預託証書)等に投資する場合があります。
    ※預託証書とは、ある国の会社の株式を海外でも流通させるために、当該株式を銀行等に預託し、その見合いに海外で発行される証券のことをいいます。

中国A株マザーファンド

  • 主に中国A株を主要投資対象とするETF(上場投資信託)に投資します。
  • 中国A株を主要投資対象とする投資信託証券にも投資することがあります。
  • 中国A株を主要投資対象とするETFの投資比率を高位に保つことを基本に運用します。

引用:交付目論見書

 

ちなみに中国A株とは以下のような株式を言います。

中国A株とはQFII(適格国外機関投資家制度)で認可された国外の機関投資家を除き、基本的には中国人しか投資できない人民元建ての株式のことで、上海証券取引所と深セン証券取引所に上場しています。

引用:投資信託資料館

つまり、基本的に外国人は投資できない中国人向けの株式のことを指すんですね。

 

ファンドの仕組みは今までに分析してきた他中国株投信商品と大きく異なりませんね。

 

次に組入銘柄を確認していきましょう。

 

HSBCチャイナオープンの組入銘柄

 

まずはチャイナマザーファンドです。

最新の組入上位銘柄は以下の通りです。

順位 銘柄名 市場 業種 比率(%)
1 騰訊控股
(テンセント)
香港 ソフトウェア・サービス 9.2
2 アリババ・グループ・ホールディング その他 ソフトウェア・サービス 7.8
3 中国建設銀行 H株 銀行 6.0
4 招商銀行 H株 銀行 5.0
5 美団 香港 小売 3.4
6 康龍化成(北京) H株 医薬品・バイオテクノロジー・ライフサイエンス 3.1
7 中国平安保険(集団) H株 保険 3.0
8 李寧 香港 耐久消費財・アパレル 2.9
9 藥明生物技術 香港 医薬品・バイオテクノロジー・ライフサイエンス 2.7
10 中国生物製薬 香港 医薬品・バイオテクノロジー・ライフサイエンス 2.3

参照:月次レポート

 

テンセントとアリババの中国定番銘柄がトップ2を占めるのは他多くの中国株投信と同様ですね。

その他に特徴的なのは比較的安定銘柄である銀行株が上位にあることですね。

また、医薬品銘柄の組入比率も高めです。

中国医薬品株はインドで新型コロナ患者が急増していることが材料視されて最近好調です。

中国政府はインドに対して積極的に医療支援したい意向を示しており、この政策が中印間の国境紛争を背景とした緊張緩和につながるのではないかと言われています。

 

 

次に中国A株マザーファンドですが、こちらはインデックス型です。

順位 銘柄名 比率(%)
1 i シェアーズ MSCI チャイナ A UCITS ETF 94.4
2 i シェアーズ FTSE China A50 Index ETF 5.3
3 キャッシュ等 0.3

参照:月次レポート

 

MSCI China A International indexFTSE China A50 Indexを指数としていますね。

 

前者の指数「MSCI China A International index」のパフォーマンスは以下の通りです。

MSCI中国のチャート推移

参照:MSCI

 

そして以下がMSCI China A International indexのセクター比率です。

MSCIのセクター比率

参照:MSCI

 

セクターは金融などサービス産業がメインとなっていますね。

中国経済の成熟度合いが伺える比率です。

 

後者の指数「FTSE中国A50インデックス」は以下のような指数となります。

FTSE中国A50インデックス

「FTSE China Index Series」の一つで、FTSE Russellが算出・公表する、中国A株市場の主要50銘柄で構成される株価指数をいいます。

これは、中華人民共和国の上海証券取引所及び深セン証券取引所に上場する中国A株のうち、流動性及び浮動株比率の基準を満たす時価総額上位の主要50銘柄で構成されており、

2003年7月21日の基準値を5,000として、浮動株比率を考慮した時価総額加重平均により算出されます。(本指数は、配当から源泉徴収税を控除した金額を再投資する課税後配当込みの指数)

現在、東京証券取引所には、本指数の円換算値との連動を目指すETFの「南方A50:南方 FTSE 中国A株50 ETF」が上場され、取引されています。

(引用:FTSE中国A50インデックス

 

 

2つのファンドそれぞれを詳しく見てきました。

しかし、ファンドの比率としてはほとんどすべてがチャイナマザーファンドですので中国A株マザーファンドはは誤差と考えてよいでしょう。

HSBCチャイナオープンのファンド比率

参照:月次レポート

 

 

HSBCチャイナオープンの運用成績・パフォーマンス

概要を把握したところで、HSBCチャイナオープンの運用実績を見ていきましょう。

ここではいつも通り基準価額とトータルリターンに注目します。

HSBCチャイナオープンの基準価額推移

参照:月次レポート

 

分配金再投資基準価額は設定来でおよそ7倍となっています。

リーマンショックで大きく下落してしまいましたが、中国経済の復活に合わせて株価がいち早く回復していきました。

2014年に一度調整しましたが、からの成長減速の影響を受けて株価は大きく下落しました。

その後は米中貿易摩擦や新型コロナウイルスの影響を大きく受けることなく、概ね右肩上がりで推移しています。

中国経済の成長が伺えるチャートとなっていますね。

 

次にトータルリターンを見ていきましょう。

トータルリターンは配当金を再投資した上で信託報酬を控除した成績を表します。

1つ注意しなければならないのは、購入手数料は加味されていないという点です。

従い、実際のパフォーマンスはこれよりも低くなります。

1年 3年
(年率)
5年
(年率)
10年
(年率)
トータルリターン 34.42% 10.90% 16.76% 10.80%
カテゴリー 36.53% 14.15% 16.60% 10.93%
標準偏差 18.30 22.46 19.12 23.63
カテゴリー 17.96 22.07 18.68 22.79
シャープレシオ 1.88 0.49 0.88 0.46
カテゴリー 2.04 0.63 0.89 0.48
ファンド数 46本 38本 34本 33本

 

他投信同様コロナ影響からの回復で直近1年は大きなリターンとなっています。

しかし長期では10%前後ですので概ねこの程度がリターンとして見込まれると言えるでしょう。

 

過去10年をベースとしたリターン10.83%と標準偏差23.63%と言う数字から今後1年間に想定されるリターンは以下の通りとなります。

 

【68.2%の確率で以下のリターンの範囲で収まる】
▲12.80%(10.83% – 23.63%)〜 34.46%(10.83% + 23.63%)

【95%の確率で以下のリターンの範囲で収まる】
▲36.43%(10.83% – 23.63%×2)〜 58.09%(10.83% + 23.63%×2)

【99.7%の確率で以下のリターンの範囲で収まる】
▲60.06%(10.83% – 23.63%×3)〜 81.72%(10.83% + 23.63%×3)

 

80%以上のリターンも理論上あり得る一方で、60%以上の下落を見せる可能性があることも十分頭にいれておきましょう。

 

 

他の中国株投資信託との比較

では同カテゴリの他中国株投信と比較していきましょう。

今回は以下の3つの投資信託と比較していきます。

  • 三菱UFJチャイナオープン
  • 三井住友ニュー チャイナファンド
  • UBS中国株式ファンド

過去3年のリターンでは、残念ながら以下の通り他投信に対してアンダーパフォームしてしまっていますね。

HSBCチャイナオープンと他投信のチャート比較

参照:MORNINGSTAR

 

詳細な比較は以下の通りです。

基準価額、純資産は 2021年07月09日 現在
トータルリターン等評価情報は 2021年06月30日 現在

ファンド名 HSBC
チャイナオープン
三菱UFJ
チャイナオープン
三井住友
ニューチャイナファンド
UBS
中国株式ファンド
販売手数料 3.3% 3.3% 3.3% 3.3%
信託報酬等(税込) 1.98% 1.67% 1.98% 1.97%
トータルリターン1年 34.42% 37.73% 32.53% 19.31%
トータルリターン3年(年率) 10.90% 13.64% 13.10% 12.20%
トータルリターン5年(年率) 16.76% 17.73% 16.52% 22.60%
トータルリターン10年(年率) 10.80% 11.51% 11.15% 15.21%
シャープレシオ1年 1.88 2.27 1.87 1.17
シャープレシオ3年 0.49 0.61 0.63 0.61
シャープレシオ5年 0.88 0.95 0.94 1.29
シャープレシオ10年 0.46 0.52 0.52 0.71
標準偏差1年 18.30 16.62 17.43 16.47
標準偏差3年 22.46 22.47 20.82 20.07
標準偏差5年 19.12 18.74 17.52 17.51
標準偏差10年 23.63 22.07 21.49 21.41

 

5年以上のトータルリターンを見ると、UBS中国株式ファンドが一人勝ちしています。

10年スパンで見るとHSBCチャイナオープンは他投信に劣るリターンとなっており寂しい限りですね。

この結果を見ると必ずしも優秀な中国株ファンドということはできません。

 

標準偏差も他投信に比べて相対的に高く、リスクも高い商品と言えるでしょう。

 

最後に手数料を確認しておきましょう。

 

HSBCチャイナオープンの高い手数料

HSBCチャイナオープンの販売手数料は3.3%(税込)となります。

中国株投資信託では、中華圏株式ファンドが3.85%(税込)と高い水準にある以外ほとんどのファンドが同水準です。

 

例えば、先ほどチャートを比較した

  • 三菱UFJチャイナオープン
  • 三井住友ニューチャイナファンド
  • UBS中国株式ファンド

も同じく購入手数料3.3%(税込)となっています。

 

信託報酬は1.98%(税込)で最も高い水準となっています。

三菱UFJチャイナオープンの1.67%との差は、大きく資金を投入すればするほど無視できなくなります。

もちろん高いリターンが得られるのであれば良いのですが、運用成績が良くないとなるとあまり納得いかないですよね。

 

 

HSBCチャイナオープンのまとめ

HSBCチャイナオープンは、2つのマザーファンドを通じて中国株に投資する投資信託です。

これまでに見てきた通り、リスクと手数料が高い割にリターンが悪く、残念ながらおすすめの商品とは言えません。

 

ただ、中国という国自体はこれからさらに成長することが見込まれているため、投資対象国としてはおすすめできます。

 

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ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

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