ブラジルといえば、南米の大国、サッカーのイメージが強いですよね。
経済面ではインフレ率が高く、経常・財政赤字であり、加えて度重なる汚職問題もありネガティブなイメージが強い国でした。
しかし、近年はインフレ・経常赤字が改善されようやく2010年くらいの頃の経済活性化がまた少しずつ期待され始めています。
今回はそんなブラジルをファンダメンタルズ・統計の観点から解剖し、株式投資先として魅力的なのかを解説していければと思います。
ブラジルという国と株式市場のファンダメンタルズ分析
ファンダメンタルズ分析の結果としては、以下の通りです。
- ブラジルは政治不安もありつつもインフレ抑制をうまくマネージしており国民の消費が回復しつつある
- 人口は緩やかにまだ増加傾向があり経済ポテンシャルはまだある
- ブラジルの雇用統計も改善しつつあり、経済は回復基調
- しかし貿易統計から中国に依存体質であることは否めずブラジルに投資を考えるのであれば中国の状況を常に注視する必要がある
- 現在中所得国の罠にはまっている状況ではあるが、製造業の知識労働にシフトできておりこのまま進めばさらなる経済成長は見込める
上記について詳しくは以下の記事で解説しています。
ブラジルレアルの為替リスクの考察
新興国株式投資を行う上で見逃せないのが為替リスクです。
たとえ現地通貨ベースで大きく上昇したとしても、現地通貨が円に対して下落したら最終的な損益はマイナスになります。
ブラジルの通貨はブラジル「レアル」。
1654年にオランダ人がブラジル北部でレアルという名称で紙幣を発行させたのが起源です。
1790年のボルトガル植民地時代に独自通貨として旧レアル(通称:レイス)が導入され、1822年の独立後も使用され続けました。
レイスはその後、度重なるインフレによってデノミを行い続け、1994年に現在のレアルになりました。
デノミとはデノミネーションの略で、通貨の単位を変えることです。
例えば今100円の缶コーヒーが極度のインフレで10万円になったとします。
すると現在の1円玉や10円玉の硬貨の価値はほとんどなくなります。
100円ですら現在の1円よりも低い価値になるのです。
そこで現在の1000円を新1円に変換します。
というのがデノミです。
ブラジルは1942年~1994年の約50年間で6回のデノミが行われたので、
ブラジルの歴史は常にインフレとの闘いであったことがよく分かりますね。
因みにこの52年間で
1000 × 1000 × 1000 × 1000 × 1000 × 2750 = 275京分の1というよく分からないレベルでデノミしています。
因みに京(ケイ)というのは、兆の更に1万倍です。
上記を踏まえて、以下の記事では今後のブラジルの通貨レアルの動向について考察しています。
ブラジル株式市場の有望銘柄はどれか?
結論を申し上げますと、ブラジルは政治の混迷がいまだ終息していないので、現在ブラジル株式指数に投資するのは合理的な選択肢とは言えません。
また個別株投資はニュース証券で直接ブラジル市場にアクセスして購入するより、ADRを通して買うという方法も存在しています。
個別銘柄は資源会社が現在復調気味ということもあり期待できますが、いずれにせよ資源価格次第なので投資する際は相応のリスクを覚悟する必要があります。
まとめ
ブラジル株を購入するのに一番手っ取り早いのは、ブラジル市場に上場されているブラジル株を直接購入することです。
日本国内でブラジル市場に上場しているブラジル株を購入できる証券会社としては「ニュース証券」があり、2009年秋からブラジル株を取扱っています。
楽天証券や大和証券等に比べてあまりメジャーでないため、口座をお持ちでない方が多数だと思いますので、まずは電話かメールで問い合わせの後、口座開設を行います。
その後、取引銘柄を指定し、指定口座に入金して購入します。
上記で述べた通り、ブラジルは政治の混迷がいまだ終息していないので、現在ブラジル株式指数に投資するのは合理的な選択肢とはいえません。
十分に検討した上で投資を行いましょう。