カンボジア株式

黎明期のカンボジアの株式投資は魅力的!?上場個別株の紹介と投資環境を紐解く!

カンボジア株式サムネイル

一言に東南アジアと言っても経済の成熟度合いは様々です。

シンガポールやマレーシアが成熟しているのは言うまでもないのではないでしょうか。

一方、CLMV諸国(※)のように、これからの成長が期待される国も存在しています。

(※)Cambodia、Laos、Myanmar、Vietnam の頭文字をとってつけられた、ASEAN の中で比較的経済開発の遅れた諸国の総称

 

そのCLMV諸国の中でも注目されている国の一つとしてカンボジアがあります。

前回カンボジアのファンダメンタルズ分析を実施しました。

 

今回はカンボジアの株式投資環境と上場している個別銘柄について見ていきたいと思います。

 

カンボジアの経済・財政状況をおさらい

経済が成長することで株式市場も成長していくことは言うまでもありません。

まずは経済について前回の分析を簡単におさらいしていきたいと思います。

 

 

カンボジアは安定した高度経済成長を成し遂げています。

 

カンボジアのGDP成長率推移

参照:世界経済のネタ帳

 

 

今後も人口増加が確実であり、更に労働人口が多く存在していることから考えても経済成長を続けることは間違いないでしょう。

 

またカンボジアの財政は健全です。

CLMV諸国の中でミャンマーと並んで一般政府部門の対GDP比率は低く抑えられています。

 

ASEAN諸国の公的債務残高GDP比

参照:国際通貨研究所

 

政府債務が低いということは、いざと言うときに政府が財政出動して経済を保護する余地があることを意味しています。

 

株式市場は黎明期だが徐々に盛り上がりつつある

では本題に入っていきます。

カンボジアの株式市場は2011年7月にオープンしました。

現在設立から約10年がたっていますが、上場されている銘柄は僅か7銘柄にとどまっています。

 

しかし、直近は徐々に盛り上がりを見せつつあります。

以下はJETROの2018年12月の記事の引用です。

カンボジア証券取引所(Cambodia Securities Exchange:CSX)は12月11日、同国の証券市場への投資家数が11月時点で2万人を超え、7月時点の9,891人から倍増したことを明らかにした。

外国人投資家の増加は2,948人から3,136人と伸びがみられなかった一方で、国内投資家は6,943人から1万7,289人へと急増した。

CSXは増加の要因として、同国の証券市場に対する楽観的な見通しが持たれ始めたためとした。

また、証券市場が活性化する材料として、
(1)同国における平均約7%の経済成長率の継続、
(2)上場会社の事業の成長による高い配当利回り、
(3)上場会社のセミナーなどによる証券取引に関する情報の普及を挙げた。

引用:JETRO

 

 

カンボジア株式市場に上場している7銘柄を紹介!

 

現在カンボジアの株式市場に上場されている銘柄は以下の7銘柄となっています。

ティッカー 銘柄名 セクター
PWSA Phnom Penh Water Supply エネルギー・公共事業
GTI Grand Twins International 衣類
PPAP Phnom Penh Autonomous Ports 商業
PPSP Phnom Penh SEZ PLC 商業
PAS Sihanoukville Autonomous Port 商業
ABC ACLEDA Bank 銀行
PEPC Pestech (Cambodia) Plc. 電力

参照:CSX

 

PWSA:プノンペン上水道公社

プノンペン上水道公社は2012年4月18日にカンボジアで最も最初に上場した銘柄です。

プノンペン上水道公社はその名の通り、1993年のカンボジア王国発足とともにプノンペン市の水供給のインフラ整備のために設立された会社です。

 

業績推移

2017 2018 2019 2020
Revenue 232,893.09 265,093.29 216,496.82 324,367.85
EBIT 79,486.60 94,871.23 51,974.44 129,586.67
Net Income 33,067.83 73,607.17 33,291.91 88,351.84
EPS (KHR) 380.21 846.32 382.78 1,015.85

 

株価指標

2017 2018 2019 2020
Market Cap.(Mil KHR) 335,716 365,287 521,839 530,536
Last Price 3,860 4,200 6,000 6,100
% Change (5.85%) 8.81% 42.86% 1.67%
Avg. Price 3,928.12 3,512.49 5,819.66 5,870.00
High 4,300 4,300 6,300 6,140
Low 3,660 2,980 4,120 5,500
P/E 10.33 4.15 15.20 5.78
P/BV 0.75 0.72 1.00 0.90
Dividend Yield 3.98 % 5.18 % 3.83 % 4.30 %
ROE 3.99 % 8.47 % 3.67 % 9.32 %
ROA 2.49 % 5.24 % 2.18 % 5.09 %

 

業績及び株価が安定して伸びており、ROE/ROAも良好な水準です。

直近のP/E5.78倍というのはかなり割安水準です。

 

GTI:グランド・ツインズ・インターナショナル

グランド・ツインズ・インターナショナルは2014年6月16日に上場した台湾の縫製企業です。

 

業績推移

2017 2018 2019 2020
Revenue 323,987.41 482,754.60 685,818.47 482,098.86
EBIT 5,566.85 8,564.81 6,006.90 3,902.82
Net Income 2,670.01 5,789.70 5,545.14 1,174.25
EPS (KHR) 66.75 144.74 139.00 29.36

 

株価指標

2017 2018 2019 2020
Market Cap.(Mil KHR) 188,000 172,800 176,000 128,000
Last Price 4,700 4,320 4,400 3,200
% Change 8.80% (8.09%) 1.85% (27.27%)
Avg. Price 4,249.25 3,987.60 4,562.28 3,541.00
High 5,400 4,980 6,640 4,600
Low 3,610 2,950 4,000 2,700
P/E 63.66 27.55 32.82 120.62
P/BV 0.69 0.62 0.63 0.46
Dividend Yield 1.28 % 1.39 % 1.14 %
ROE 0.98 % 2.10 % 1.99 % 0.42 %
ROA 0.80 % 1.67 % 1.49 % 0.32 %

 

2020年はコロナの影響もあったか業績が急下落しています。

株価はコロナ前から思わしくなく、P/Eは120.62倍と超割高です。

 

PPAP:プノンペン港湾公社

プノンペン港湾公社は2015年12月9日に上場した第3号銘柄です。

その名の通り、プノンペンの港湾局となっている国営企業です。

 

業績推移

2017 2018 2019 2020
Revenue 76,273.72 83,824.24 110,174.33 110,303.42
EBIT 30,087.73 35,808.49 64,038.29 55,926.78
Net Income 21,688.61 32,767.49 46,806.24 40,212.64
EPS (KHR) 1,048.55 1,591.24 2,280.61 1,987.16

 

株価指標

2017 2018 2019 2020
Market Cap.(Mil KHR) 106,318 158,856 258,555 242,007
Last Price 5,140 7,680 12,500 11,700
% Change (3.02%) 49.42% 62.76% (6.40%)
Avg. Price 5,095.06 5,745.75 10,342.30 11,498.00
High 5,340 8,540 13,380 12,420
Low 4,720 5,080 7,640 10,280
P/E 4.86 3.61 4.53 5.79
P/BV 0.64 0.83 1.06 0.87
Dividend Yield 5.97 % 4.33 % 2.66 % 2.84 %
ROE 4.09 % 5.92 % 7.90 % 6.33 %
ROA 3.24 % 4.58 % 5.96 % 4.86 %

 

業績は好調で、コロナ禍でもさほど業績を落としていません。

一方でP/Eは5.79と割安な水準で放置されています。

 

 

PPSP:プノンペン経済特区社

プノンペン経済特区社は2016年5月30日に上場した銘柄です。

プノンペン国際空港の近くにある企業の多くが入っている経済特区です。

 

業績推移

2017 2018 2019 2020
Revenue 36,881.63 36,352.43 152,053.66 67,477.20
EBIT 10,645.00 (3,866.22) 72,701.13 12,526.56
Net Income 6,785.63 (10,749.34) 60,154.42 3,300.94
EPS(1) (KHR) 117.00 (175.00) 837.00 46.00

 

株価指標

2017 2018 2019 2020
Market Cap.(Mil KHR) 163,208 208,438 185,438 84,812
Last Price 2,820 2,900 2,580 1,180
% Change (1.40%) 2.84% (11.03%) (54.26%)
Avg. Price 2,744.81 2,801.07 2,830.00 2,219.00
High 3,120 3,190 3,500 2,680
Low 2,610 2,450 2,500 1,170
P/E 23.46 15.99 3.38 48.31
P/BV 1.06 1.17 0.77 0.35
Dividend Yield 0.85 % 1.13 %
ROE 4.53 % (6.47%) 28.71 % 1.37 %
ROA 2.96 % (3.56%) 15.98 % 0.86 %

 

売上が好調に推移している一方、利益は大きくブレていますね。

一方で株価は2020年以外は安定しており、ブレが少ないと言えるでしょう。

 

PAS:シヌアビーク港湾公社

シヌアビーク港湾公社はカンボジアの国際港湾を運営する唯一の企業です。

2017年6月8日に上場しており、以下のようにコロナの一過性を除くと業績は堅調に推移しています。

 

業績推移

2017 2018 2019 2020
Revenue 227,397.84 275,575.65 333,913.38 311,813.76
EBIT 60,381.42 67,820.28 85,545.72 74,003.42
Net Income 25,139.32 45,165.77 43,463.50 26,607.59
EPS (KHR) 328.40 526.58 506.73 310.21

 

株価指標

2017 2018 2019 2020
Market Cap.(Mil KHR) 437,437 866,297 1,663,976 1,217,962
Last Price 5,100 10,100 19,400 14,200
% Change (4.85%) 98.04% 92.08% (26.80%)
Avg. Price 5,006.52 5,752.00 15,375.00 15,217.00
High 5,120 10,100 23,650 19,600
Low 4,620 4,980 10,000 12,500
P/E 15.25 10.92 30.34 49.05
P/BV 1.55 3.04 5.23 3.61
Dividend Yield 7.90 % 3.99 % 2.08 % 2.84 %
ROE 6.99 % 6.97 % 6.53 % 3.84 %
ROA 3.49 % 3.46 % 3.22 % 1.93 %

 

一方直近P/Eが急上昇しており、割高水準となっています。

 

ABC:アクレダ銀行

アクレダ銀行は2020年5月25日上場したカンボジア最大の商業銀行です。

三井住友銀行が18.10%、オリックス株式会社が12.12%と、なんと日本企業が合計30%以上の株式を保有しています。

 

業績推移

2017 2018 2019 2020
Revenue 1,957,362.00 2,007,903.00 2,156,791.00 2,361,483.00
EBIT 1,050,097.00 1,229,914.00 1,257,722.00 1,384,724.00
Net Income 350,969.00 482,624.00 489,724.00 576,865.00
EPS(1) (KHR) 979.00 1,221.00 1,142.00 1,320.00

 

株価指標

2017 2018 2019 2020
Market Cap.(Mil KHR) 7,407,088
Last Price 17,100
% Change
Avg. Price 17,612.00
High 22,600
Low 16,500
P/E(2) 13.34
P/BV(3) 1.68
Dividend Yield 2.33 %
ROE 12.18 % 14.95 % 13.31 % 13.84 %
ROA 1.75 % 2.19 % 2.04 % 2.23 %

 

業績はコロナ影響を受けずに堅調に推移していますね。

P/Eも高すぎず、現在理想的な銘柄と言えるでしょう。

今後が楽しみですね。

 

PEPC:ペステック・カンボジア

ペステック・カンボジアは2020年8月12日に上場したインフラ企業です。

上記GTIに続く外資系2社目のカンボジア上場企業となりました。

 

業績推移

2017 2018 2019 2020
Revenue 313,486.00 231,058.00 203,014.00
EBIT 41,175.00 23,574.00 64,680.00
Net Income 30,804.00 7,218.00 29,443.00
EPS (KHR) 434.00 101.66 414.69

 

株価指標

2017 2018 2019 2020
Market Cap.(Mil KHR) 217,340
Last Price 2,900
% Change
Avg. Price 3,157.00
High 3,710
Low 2,900
P/E 7.61
P/BV 3.11
Dividend Yield
ROE 27.29 % 8.52 % 46.53 %
ROA 5.01 % 0.99 % 3.17 %

 

業績のブレは大きいですが、2019年が一過性とすると株価は割安と言っていいでしょう。

ただ、情報が少なくて現時点では何とも言えないというのが正直なところです。

 

 

個別銘柄のまとめ

出来高を見ていただければお分かりの通り、圧倒的に取引高が足りていません。

よって業績が堅調である会社も必ずしも株価が大きく上昇する形とはなっていません。

今後、国内ならびに外国から投資家が参入して適切な価格形成がなされるまでにはしばらく時間がかかるでしょう。

 

日本からカンボジアの株式を購入することは可能か?

近年日本の証券会社でも海外取引の枠が拡張し、マレーシア、タイ、ベトナムのような東南アジアの銘柄に投資できるようになりました。

しかし、残念ながら現状カンボジアの株式を日本の証券会社経由で購入することはできません。

どうしてもカンボジアの株式を購入したいのであれば、現地に赴いて現地の証券口座を開設する必要があります。

 

現地には日本人スタッフを抱える「SBI証券」系列の「SBI証券ロイヤル」が存在しています。

もし現地で口座を開設したい方がいらっしゃった場合、同社は有力なパートナーとなるでしょう。

ご参考までに、口座開設に必要なものは以下となっています。

  • パスポート
  • 証明写真
  • 現地でのアドレス(ホテルはNG):最もハードルが高い
  • 3か月超のビザ

 

まとめ

カンボジアの上場銘柄について見てきました。

まだまだ歴史が浅いため7銘柄しか上場しておらず、概ね業績は堅調であるにもかかわらず投資家が少ないため適切な価格形成が行われていない状況です。

また日本人は現在日本にいながらカンボジア株を購入することはできません。

現地にいって証券口座を開設する必要があり、投資することはほぼ不可能と言っていいでしょう。

 

資産を大きく増やすのに適した今まさに飛躍の時を迎える投資先!
新興国投資信託

おすすめファンドランキング
昨今新興国の勢いは留まるところを知らず、世界のGDPに占める比率は50%近くに達し、更に高い成長率を維持して世界経済の中で存在感を年々高めています。

当然、経済成長に伴って企業の収益成長率も世界の成長率を大きく上回っています。

先進国と新興国の経済成長率の差

しかし、2010年代は先進国株が堅調に推移したため、新興国企業は収益を伸ばしているにもかかわらず株価は低迷していました。
結果的に新興国株式の割安度は高まりつづけています。

新興国株式は割安

現在はいわばマグマが溜まっている状態で、2020年代は2000年代に堅調だった新興国株の時代が再び来ると想定されています。

とはいえ適当に選んだ新興国に投資しただけでは大きなリターンを得ることはできません。
新興国の中には投資環境が整っていない国や政治的に不安定な国が数多く存在しているからです。

新興国投資で大きなリターンを得るためには、

✔︎ 成長力・企業成長力が高い
✔︎ 株価が上昇するのに適した経済水準
✔︎ 株価が割安
✔︎ 現地の情報が得られる敏腕ファンドマネージャーが銘柄を厳選

などといった条件を満たす必要があります。

特に最後の観点が抜け落ちがちなのですが、やはり腕利きのファンドマネージャーが運用しないとなかなか市場平均を上回る高いリターンを望むことができません。

いわゆる大企業が運用する投資信託はマネージャーがサラリーマンとして雇われの身であり、結果にコミットするという観点では物足りない部分があります。

そのため、私は運用を任せるのであれば本物のプロとして己の腕一本でのし上がっているヘッジファンドが効果的であると考えています。

以下では長年新興国株投資を含めて投資を行なってきた私の経験や知見からヘッジファンドを含めておすすめできるファンドをお伝えしています。

新興国投資で大きなリターンを得たいと考えられている方は参考にしていただければと思います。

おすすめファンドランキング