ブラジル株式

サッカー大国ブラジルは株式投資適格か?国の経済と財政をファンダメンタルズ分析・不安定な政治・汚職・財政問題に焦点

ブラジルファンダメンタルサムネイル

ブラジルといえば、南米の大国、サッカーのイメージが強いですよね。

経済面ではインフレ率が高く、経常・財政赤字、加えて度重なる汚職問題でネガティブなイメージが強い国でした。

 

しかし、近年はインフレ・経常赤字が改善されようやく2010年くらいの頃の経済活性化が少しずつまた期待され始めています。

今回はそんなブラジルをファンダメンタル・統計の観点から解剖し、解説していければと思います。

 

ブラジルといえば、不安定な政治・汚職・財政問題が経済低迷を誘発

ブラジルといえば、

「経済低迷」と聞くと「あぁ、また政治問題でも起きたかな?」と思いませんか?

 

テメル大統領はブラジルで問題となっているインフレ上昇をうまくマネージしている状況ではありますが、

年金受給年齢の引き上げ政策など課題は山積みです。

 

そんなブラジルの、財政収支を見てみましょう。

ブラジルの財政収支推移

参照:CEIC

 

財政収支が低迷しているのがよくわかりますね。

 

2014年頃に資源価格が低迷し、総債務残高も急激に上昇しており、

現在は緊縮財政に踏み切っています。

 

直近では、2018年10月にテメル大統領の任期が終了し、大統領選が開催されます。

 

メイレレス財務相、ルーラ元大統領のどちらかの当選が見込まれますが、

山積みな問題に対して新しく就任した大統領が発する発言次第ではブラジル株、

ブラジル債券などを購入している人は下落の可能性もあり、

情報に敏感になっておく必要があるでしょう。

 

ブラジル経済の現状、GDP成長率の推移を把握しよう

まずは1990年からのブラジルの経済規模の拡大の過程をご覧ください。

 

2000年代から経済規模が急拡大しており、

資源大国であるブラジルはリーマンショック後にはアメリカに代わる大国と言われるほどでした。

ブラジルのGDP推移

資料:GLOBAL NOTE 出典:IMF

リオで開催されたオリンピックが決まったのも2009年で、

飛ぶ鳥を落とす勢いで成長をしていましたが、

資源の一本足打法を続けていた結果、資源価格の低迷となり、

あっという間にマイナス成長となってしまったのです。

 

では、一人あたりGDPはどれくらいの規模なのでしょう。

ブラジルの1人当たり名目GDP推移

資料:GLOBAL NOTE 出典:IMF

 

2009年〜2010年にかけて、一人当たりGDPは10,000USDを超えており、

その後も伸びていくかと思われましたが、資源価格急落、汚職問題の影響で2017年まで低迷しております。

 

一人当たりGDP10,000USDで差し掛かる「中所得国の罠」に思いっきりはまっている状態ですね。

 

「中所得国の罠(middle income trap)」とは、

世界銀行が2007年に『東アジアのルネッサンス』のなかで提示した枠組みであり、

安価な労働力や外資誘致などを活用して経済成長を実現したアジアの中所得国が、

産業構造の高度化や技術革新への努力を怠れば、時間とともに成長が鈍化し、

高所得国への移行が困難になるという考え方である。

参考:日本総研

 

いかにこの中所得国の罠を抜けていくかがブラジルの喫緊の課題となりますね。

ブラジルの人口は今後も増加する?人口推移、人口ピラミッドを考察

経済の動向を予測するに当たって、最も重要なのは「人口」です。

 

人口が増えなければ内需は拡大せず、消費活動、労働活動が活発化せず、

経済は落ち込んでしまいます。

 

現在の日本がそうですよね。

以下のように、人口は下降しています。

日本の人口推移

参照:PopulationPyramid

 

 

さて、本題のブラジルの人口推移を見ていきましょう。

ブラジルの人口推移

参照:PopulationPyramid

 

 

見てみると、まだまだ増加傾向にありますね。

 

人口ピラミッドも確認してみましょう。

ブラジルの人口ピラミッド

参照:PopulationPyramid

 

10歳から14歳までは4%のまずまずの水準ですが、

少しずつ減少傾向が読み取れますが、しばらくは内需も見込めそうです。

ブラジルGDPを支えているのは?

ブラジルのGDPを支えているのは何か?

という質問が上がれば即座に「資源」という回答が返ってくるでしょう。

 

まさにその通りです。

以下は、ブラジルの実質GDP成長に寄与している分野をみずほ証券がグラフにしたものです。

ブラジルの実質GDP成長率

参照:みずほ総合研究所

 

2014年の資源価格の低迷によって明らかに下降していますね。

その後、徐々に回復基調となっています。

 

資源価格が低迷すると、大手資源会社(ヴァーレ、ペトロブラスあたり)の新規資源発掘プロジェクトも中止、

その資源を元に展開するビジネスも芋づる式に中止となるので、

総固定資本形成が大きく減速しています。投資が現象したということです。

 

加えて政治の汚職問題などもあり、

ブラジルレアルの価値は下がり輸入物価上昇とダブルパンチ状態でした。

 

2017年くらいにようやく国民の消費も回復基調となっており、

経済成長回復に向かっていますね。

 

次に、ブラジルでは度々問題に挙げられる「雇用・失業率」「インフレ」の2つを見ていきましょう。

ブラジルの雇用者数・失業率

参照:みずほ総合研究所

 

 

2017年には軽微ですが雇用の改善は進んでおり、

正規雇用者数も徐々に回復に向かっていますね。

 

正規雇用者数が増加しているということは、

賃金の上昇、生活への不安払拭にもなりますので消費は回復していきます。

先行きは真っ暗という訳ではないですね。

次に常に上昇しているイメージのあるブラジルのインフレ率ですが以下の表で確認しましょう。

ブラジルのインフレ率・政策金利

参照:みずほ総合研究所

 

 

 

2016年以降、インフレは鎮静化していますね。

政府のインフレ目標数値を超える水準で抑制できています。

 

政策金利も14%と非常に高い水準でしたが、

現在は10%以下に収まっています。

 

インフレが沈静化することにより、

国民の消費は拡大しますので、

投資も可能となり、経済成長に寄与することになります。

 

次の項では最後にブラジルの貿易を見ていきたいと思います。

 

ブラジルの輸出入先・他国に依存性はあるのか?やはり中国が筆頭

例えば、ASEAN諸国のシンガポールやベトナムなどは中国依存が大きく、

中国の経済が低迷すればそのまま自国に大きな影響を与えてしまう非常に危険な状況です。

 

もちろん貿易相手国がコケなければ問題ないのですが、

やはり「他人」に依存していたら期待を裏切られたり、

外交で失敗すればすぐにそれまで積み重ねてきた投資や労働力、時間が無駄になってしまいます。

 

さて、ブラジルの具体的な貿易先を見ていきましょう。

ブラジルの貿易、輸出入先(2015年)と製品内訳(2014年)は以下の通りとなっています。

 

ブラジルの主な輸出先は、

 

中国(21.8%),米国(12.3%),アルゼンチン(8.1%),オランダ(4.3%),日本(2.4%),チリ(2.3%),ドイツ(2.3%),インド(2.1%)

出典:外務省

 

となります。

明らかに中国依存ですよね。

 

中国がコケれば22%の輸出で得ていた利益が吹き飛ぶことになります。

では、輸入先はどこなのでしょうか。

 

中国(18.1%),米国(16.5%),ドイツ(6.3%),アルゼンチン(6.1%),韓国(3.5%),イタリア(2.6%),日本(2.5%),フランス(2.5%)
出典:

外務省

 

またもや中国が18%とトップですね。

中国とブラジルはお互い資源国であり、パートナー関係にあることからもお互いに依存度は高いです。

中国については以下の記事でも解説してます。

 

 

そのほかは米国、ドイツ、アルゼンチンなどに分散しており、

リスクは分散できておりますが、中国次第であることに変わりありません。

ちなみに貿易品目は以下の通りとなります。

 

(1)輸出一次産品 46.4%(大豆,鉄鉱石,原油等),工業製品 36.9%(乗用車,航空機,商用車等),半製品 14.4%(粗糖,木材パルプ,鉄鋼半製品等)

(2)輸入原材料及び中間材 62.1%(工業原材料,資本財付属品,輸送用機器付属品等),消費財 15.4%(医薬品,食料品,家庭用機械器具等),石油及び燃料 11.7%,資本財 10.7%(工業用機械,輸送機器等)

(出典:

外務省

 

資源ばかりを輸出していると思いきや、

工業製品も36.9%と高いを占めており実は一本足打法ではないことがわかります。

製造業が活発ということですね。

 

ブラジルは新興国で括られておりますが、

製造業が活発であるというのは、知識労働が活発ということになりますので、

東南アジアのような人件費の安い労働で国を支えている訳ではないことがわかりますね。

 

日系・欧米の製造メーカーが積極的に2010年代に進出してきたことにより、

ノウハウが集積されていることも要因になるかと思います。

 

この記事のまとめ

ブラジルのファンダメンタル分析は以上ですが、

次回は実際に新興国市場の中でブラジルは投資適格があるのかどうかを、

具体的に解説していきたいと思います。

この記事のまとめは以下の通りです。

  • ブラジルは政治不安もありつつも現大統領のテメル氏はインフレ抑制をうまくマネージしており国民の消費が回復しつつある
  • 2018年10月の大統領選には注目すべき
  • 人口は緩やかにまだ増加傾向があり経済ポテンシャルはまだある、
  • ブラジルの雇用統計も改善しつつあり、経済は回復基調
  • しかし貿易統計から中国に依存体質であることは否めずブラジルに投資を考えるのであれば中国の状況を常に監視する必要がある
  • 現在中所得国の罠にはまっている状況ではあるが、製造業の知識労働にシフトできておりこのまま進めばさらなる経済成長は見込めるものと言える

     

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